“天災は忘れたころにやってくる”(寺田寅彦)

その天災の中でもある日突然やってくるのが地震。広範囲に大きな被害を及ぼすプレート境界地震、局所的に大災害をもたらす断層地震。日本列島は千年に一度の地震活動期にあり、まさに待ったなしと言えます。

そのような状況下、政府をはじめ多くの企業、団体が防災に注力していることは既に皆様ご承知の通りです。例えば、建造物の耐震基準・規格面においては、データの蓄積と技術の進歩により、改訂が進み、大きな効果を上げております。

建造物内に目を向けると、阪神淡路・東日本大震災を契機として消防法が改正され、東京消防庁からは 『オフィス家具類の転倒・落下・移動防止対策チェックリスト』 も発行されています。また、各企業団体においては、什器やオフィス機器の転倒落下防止対策、食料の備蓄なども実施されております。

代表理事 遠藤 秀信

しかしながら、転倒・落下・移動防止に関する限り、ガイドラインはあるものの、エビデンスに基づく公的な基準・規格が未整備であることは否めず、製造・販売・設置企業、あるいは管理者の知識・技術と良心にゆだねられているのが実情です。

当協会は、「地震発生直後の生命の安全確保と脱出」 に始まり、「避難生活から平常時の生活の再建まで生き延びるための事前の備え」 を事前防災と捉え、啓発活動を行っています。

更に、防災に関する診断士の育成と認定制度、防災用品・器具の基準制定と認定制度、実践的な取り扱いの研修プログラム等を通じてエビデンスに基づく製品、サービスの提供を図って参ります。

このような活動を通して、一人でも多くの国民の生命財産を守ること、および会員企業様のみならず広く業界全体の継続発展に寄与することを切望してやみません。

令和4年10月11日