防災管理点検とは(消防法第36条)
防災管理点検とは、消防法第36条に定められている制度で、大規模建築物に対して建物の地震対策などの点検・報告を実施するものです。点検の対象となる建築物の所有者、または管理者は、年1回、防災管理点検を実施し、その結果を消防機関に報告しなければなりません。
点検・報告の基準となる日は、点検対象となる建築物の管理を開始した日です。基準日から1年以内に点検を実施する必要があります。点検報告をしなかった者には、30万円以下の罰金または拘留が、その法人に対しては30万円以下の罰金が科されることがあります。
防災管理点検資格者による点検
点検の対象となる建築物の所有者、または管理者(以下、建物のオーナー等という)は、防災管理に関する専門的知識を身につけた有資格者(防災管理点検資格者)に点検を依頼します。
防災管理点検資格者は防災管理上、必要な業務等が基準に適合しているかどうかを点検し、結果を報告書にまとめます。
建物のオーナー等は、報告書を消防長または消防署長に提出します。
消防法令に適合している場合は、各都道府県の消防設備協会が頒布する「防災基準点検済証」を表示できます。
防災管理点検のおもな点検項目
現在、防災管理点検の点検項目は以下のとおりです。点検内容をもとに、適切に管理業務が行われているか確認しましょう。
- 防災管理者を選任し、所定の届出をしているか
- 防災管理者が作成した消防計画に基づき、適切な防災管理業務がなされているか
- 自衛消防組織を設置し、所定の届出をしているか
- 避難階段に避難の障害となる物がないか
- 家具などの転倒、落下、移動防止措置は十分か
- 1年に1回以上の避難訓練が正しく実施されているか
- 十分な非常食などが備蓄されているか
点検は、防災管理者などの立会いのもと、防災管理点検資格者によって実施されます。
防災管理点検で「家具などの転倒、落下、移動防止措置」に関する指摘を受けたら
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